遺贈寄付に関心を持った人がいた場合、そうした人は誰に相談するでしょうか?全国各地にある、市民活動センターや県民協働課などに相談窓口があるといいのですが、実態の多くはそうではありません。ほとんどの場合、弁護士、税理士、司法書士や信託銀行などの金融機関の人にまず相談しているというのが実情です。
イギリスで 2013 年、内閣府と Charity Aid Foundation が興味深い調査を行っています。それは、弁護士が遺言を書く相談を受ける際に 3 つのパターンで対応して、その結果、遺贈寄付が発生する確率を比較したものです。
第 1グループは、普通に遺言相談を受けます。第 2 グループは、相談を受ける際に、単純に「あなたは遺言の中で、慈善団体にお金を残したいですか?」とだけ聞きます。第 3 のグループは、さらに一言、「私たちのお客様の多くは慈善活動団体にお金を残します。あなたはどのような社会課題に関心がありますか?」と聞くのです。
そうすると、遺言に寄付することを書いた人が、第 1 グループ(普通に対応する)では 4.9%、第 2 グループ(寄付したいかを聞く)では 10.8%、第 3 グループ(多くの人がやっていると伝える)では実に 15.4%となったということです。
接点面の人の説明による影響というのが大きいことが分かります。