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Q.非営利団体に遺贈できる財産は?
どのような財産でも非営利団体に遺贈することができますか。
投稿日:2017.02.02
A.回答
協会専門家チーム
どのような財産でも非営利団体に遺贈することができるとは限りません。遺贈対象となる財産には、預貯金の他、不動産(土地・建物)、動産(家具・家財等)、各種権利(借地権・損害賠償請求権等)をはじめとする様々なプラスの財産(積極財産)とともに、借金や保証債務等のマイナスの財産(消極財産)もあります。消極財産を遺贈の対象とすることは一般に好ましくないことは明らかですが、積極財産であっても、管理や換価処分が困難なものについては非営利団体から遺贈を断られることがあります。また、受取人が指定された生命保険金、あるいは被相続人の収入に頼っていた家族の生活保障を目的とする死亡退職金は、受取人固有の財産としての性質があると考えられているため、一般に遺贈の対象とすることはできません。さらに、墳墓(墓地、霊園使用権)、祭具、系譜(家系図)などの祖先を祭るためのもの(祭祀財産)も遺贈の対象とはならない財産です。これらに該当しない財産であれば、非営利団体に遺贈可能な財産と考えて差し支えないでしょう。

次に、遺贈は、大きく特定遺贈と包括遺贈に分けられます。特定遺贈とは、特定の財産(個別に指定した金融機関の預貯金、特に指定した不動産や株式など)の贈与を内容とするものです。この場合の受遺者は遺言者の死後いつでも遺贈の放棄をすることができます(同法986条)。これに対し、包括遺贈とは、遺産の全部とか遺産の何分の1というように遺産全体に対する分量的な割合により遺贈をすることです。この受遺者を包括受遺者といい、相続人と同一の権利義務がある(民法990条)ものとされています。そのため、遺贈の承認や放棄についても相続人と同じ取り扱いを受けるため、遺言者の財産に属した一切の権利義務を承継する(民990条、896条)ことになります。以上により、非営利団体が、特定遺贈を受け入れることについて問題が生じることは多くないと思われますが、包括遺贈については、債務などの消極財産の存在が不明な段階での受け入れは避けられる傾向にあります。

なお、遺贈には、上記分類のほか、条件のつかない単純な遺贈と、条件がついた条件付遺贈、期限がついた期限付遺贈、あるいは負担のついた負担付遺贈があります。これらの条件や期限、負担の内容が、非営利団体にとって受け入れ難いものである場合にはやはり遺贈を断られる可能性があります。