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Q.遺贈と相続財産の寄付の違いは?
そもそも遺贈(遺言による寄付)とは何でしょうか。相続財産の寄付とは何が異なるのでしょうか。
投稿日:2017.01.26
A.回答
協会専門家チーム
遺言により自分の財産を相続人又は相続人以外の人に無償で贈与する行為を遺贈といいます。遺言による寄付は社会貢献のためになされる遺贈であることが多いといえましょう。遺贈の効力は、遺言者の一方的な意思表示で生じることから、相手方のない単独行為とされています(民法986条~1003条)。

これに対し、相続財産の寄付は、相続人又は受遺者(遺贈を受ける人,以下同じ)が,相続や遺贈によっていったん取得した財産を、故人の遺志、遺族の意思に沿って、国や地方公共団体又は特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人等に無償で贈与することです。贈与契約の一種であり、原則として対価なしで財産を他人に与えることから、無償の片務契約(当事者の一方のみが債務を負う契約)とされています。ただし,贈与を受ける人(受贈者)が一定の給付を負担する負担付贈与は双務契約(当事者の双方が債務を負担する契約)となります(民法549条~553条)。

遺言者が国や地方公共団体に財産の遺贈をした場合はもとより、特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人に遺贈をした場合も一定の要件を満たせば、相続税が課税されることはありません(租税特別措置法40条1項)。

また、相続や遺贈によって取得した財産を国,地方公共団体又は特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人などに寄附した場合や特定の公益信託の信託財産とするために支出した場合は、その寄附をした財産や支出した金銭は相続税の対象としない特例があります(国税庁タックスアンサー№4141)。なお、寄付する財産には、相続や遺贈で取得したとみなされる生命保険金や退職手当金も含まれますが、あくまでも相続や遺贈によって取得した「財産」とされていますから、相続財産が不動産であれば不動産のまま、株式であれば株式のまま寄付する必要があり、これらの財産を現金化してから寄付すると、特例の範囲外となるので注意が必要です。