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Q.支援者の死をきっかけの遺贈寄付を積極的に募集しても大丈夫でしょうか?
私達の団体では長年応援頂いた支援者には高齢の方も多いので、亡くなったあとも遺贈で寄付を積極的に募集することに慎重な意見もあります。積極的に募集しても大丈夫ですか?
投稿日:2017.01.26
A.回答
協会専門家チーム
遺贈寄付は、支援者の死を契機として寄付が行われるものであることから、非営利団体等が支援者やその遺族に対して積極的に呼びかけることについて、ためらいや違和感を抱くことがあるかもしれません。

しかし、遺贈寄付は生前における寄付やボランティアといった支援に加えて、支援者が人生の集大成として、次の世代のために自らの財産を活用してほしいとの想いを形にするための有効な手段であり、決して後ろ向きのものではありません。直接的は遺贈寄付の呼びかけを行うことに抵抗がある場合は、会報やホームページで実際の遺贈寄付の事例を紹介する方法もあります。

40歳以上の男女の5人に1人が遺贈寄付に関心があると言われています(『寄付白書2013』)。それにもかかわらず、それを実行に移す方の割合が1パーセントにも満たない現実があります。その理由としては、遺贈寄付の関心者に対して遺贈寄付という選択肢があることや、遺贈寄付の受け入れ先として 適切な団体の情報が十分に提供されていなかったことがあります。

このギャップを埋めて、支援者に自己実現の機会を提供するためには、民間非営利団体等が遺贈寄付を受け入れる準備があるということ、自らの団体が遺贈寄付の寄付先として適切であることを、団体のホームページやニュースレターなどの様々な手段で情報提供するだけでなく、説明会や個別面談など積極的に開催することまで求められます。

ところで、民間非営利団体は遺言の作成にどの程度関わってよいでしょうか。遺贈寄付に関心があっても、実際に遺言を作成する手間を考えるとなかなか踏み出せない方もいらっしゃいます。そのような方に遺贈寄付を受ける団体が相談に乗ることは問題ありません。遺言に関する一般的な助言は特定の業種の独占業務ではないためです。しかし、遺言の内容や効力を本当に本人の意思に基づくものとするためには、法的、税務的な観点からの検討が必要になる場合があります。日頃から遺贈寄付に詳しい専門家と気軽に相談できる関係を築いておくとよいでしょう。