(順不同)

  • 垣添 忠生
  • 公益財団法人日本対がん協会会長

日本は超高齢化が進み、多死社会となった。所帯構造も変り、高齢単独所帯、老々介護所帯が急増しつつある。公助に陰りが見えるとき、共助、共生の考え方は大切だ。
その一つに遺贈がある。私も遺産は公けのために使ってもらうべく公正証書を認めた。

  • 長谷部 八朗
  • 前駒澤大学学長

少子高齢化や過疎化が進み、家族や地域共同体の繫がりが大きく揺らぐ今日、改めて社会的紐帯の在り方が問われています。「人間」と「間人」は表裏であり、「自利」と「利他」の関係に通じます。共生社会の実現に向け、全国レガシーギフト協会の活動に期待します。

  • 野村 勉
  • 第一勧業信用組合 理事長

私たち信用組合の使命は、地域の中で真面目に事業や生活を営んでいる方々を相互扶助の精神で支えて地域の発展に貢献することです。遺贈・寄付は、高齢の方が次世代の方に各々の想いを託すとともに、「思いやり」を持ち地域内の社会課題の解決に頑張る人を応援することだと思います。信用組合の経営理念とも非常に親和性が高いもので、遺贈・寄付が地域に根付くことをサポートしていきたいと思っています。

  • 小宮山 宏
  • 株式会社三菱総合研究所 理事長
    第28代東京大学 総長

日本を含む先進諸国は、経済の低成長時代を迎え、先進国型の課題である財政赤字、高齢化などの問題に直面しています。そして、そうした課題は、行政だけで解決することは困難であり、これからの世界は、寄付なしには立ち行かなくなってきていると思います。その意味では、私たちは、大きな時代の転換点にいるといっても過言ではないと思います。

遺贈寄付が拡がる鍵は、自分の意思に沿った寄付が安心して実現できるかどうかです。遺贈寄付に詳しい専門家や、資金の仲介をする財団など多くの関係者と連携したこうした仕組みはとても価値があると考えています。この取り組みは、高度成長を支えた世代が、次世代への贈り物として率先して新しい日本の寄付文化を創ることにもつながると思います。

今、援助を必要とする多くの状況があります。古典文化や、オーケストラ、教育や学術もお金がなければうまく行きません。遺贈寄付者の意思と、様々な活動とがつながる全国レガシーギフト協会の取組みを応援します。

  • 山田 啓二
  • 元京都府知事

私たちが生きる現代社会には、少子高齢化や子どもの貧困、地域福祉の問題など様々な課題が存在しています。これまで多くの皆様が解決に向け活動してこられましたが、我が国が、今後も持続可能で活力に満ちた社会を築いていくためには、そうした個々の活動だけでなく、地域に眠っている力を活用し、上手く循環させることが重要です。

そうした中、京都地域創造基金を皮切りに全国に広がった「コミュニティ財団」の動きは、地域の人々が主体となって、地域に新しい資金循環を生み出す新たな仕組みをつくり出し、社会に大きなインパクトを与えました。同時に、社会に貢献したいという思いをもつ方々に、その願いを実現する手段を示したという点でも重要な意味があったと思っています。

近年、終活やエンディングノートへの関心に加え、社会貢献意識の高まりから、遺贈寄付への注目が集まっておりますが、手続きや使途、信頼できる相談先など様々な不安も存在するため、地域の未来に貢献したいという皆様も、一歩を踏み出すことに躊躇いを感じてしまっている状況にあります。

全国レガシーギフト協会の活動は、まさにこの状況を打開し、遺贈寄付希望者と地域のために活動する団体との橋渡しをするものであり、これにより地域に新たな力の循環が生み出されることとなります。寄付者の思いが世代を超えて地域の未来に活かされるよう、今後の御活動の拡がりを期待しています。

  • 遠山 敦子
  • 公益財団法人トヨタ財団 理事長
    元文部科学大臣

これからの日本にとって、加速度的に高齢化が進行することは確実であり、かつて経験したことのない難題に直面しております。そのため、地方・大都市圏を問わず高齢化・人口減少への対応は喫緊の課題です。また、社会の変化に伴い、国籍、文化、ライフスタイルなど多様な背景を持つ人々が安心してともに暮らすコミュニティの実現は極めて重要です。

トヨタ財団では、2004年度より地域社会に焦点を当てたプログラムを立ち上げ、2014年度からは、地域の課題解決に向けて多様な主体が参加する生業づくりや、その担い手となる若い人材を育てるプロジェクトに対して助成をさせていただいております。生活の場である地域において暮らしが成り立つこと、また、地域の一人ひとりが担い手として役割を持つことが、結果として人々のより一層の幸せの実現につながると考えるからです。

また、昨今は、地域の課題解決に向けて、地域の志ある市民等からの資金を調達し、地域で活動するNPO等に資金を提供するコミュニティ財団の活動への期待が高まって来ています。そこでトヨタ財団は、2014年度から全国コミュニティ財団協会が行っておられる各地のコミュニティ財団の基盤強化に資するプロジェクトへの助成も始めました。

このたび、全国コミュニティ財団協会も中心メンバーとして参画されている「全国レガシーギフト協会」の設立により、人生の集大成にあたり、地域への思いを託す寄付として遺贈寄付が一般に広く根付くことを期待します。これにより、「互いに支え合う社会」の形成に力を結集しようではありませんか。

  • 堀田 力
  • 公益財団法人さわやか福祉財団 会長 / 弁護士

近年の相続・遺言や終活などへの関心の高まりや、社会貢献意識の高まりから遺贈寄付をされる方が年々増加している状況です。少子高齢化、教育、職業、地域の過疎化など課題先進国である日本にとって、課題解決の促進のために遺贈寄付が進むことは、とても重要なことであると思います。

私は、遺贈寄付は、「人生の最後の意思決定」の尊重ともいうべき、大変重要なテーマが含まれている行為だと思います。しかし、現状では、遺贈寄付に関心を持ったとしても、寄付先がわからなかったり、信頼できる相談先がない、具体的な方法がわからない、といった寄付に踏み出せない状況もあります。また、受け手側の団体も、しっかり想いを受け止め、きちんと活かす準備も必要です。

遺贈寄付を希望する人の多くが、その「人生の集大成のひとつとしての社会貢献」を実現させるために安心して相談できる仕組みであり、受け手の団体の倫理観を育む全国レガシーギフト協会の取組みを通じて、全国に新しい善意の循環を生み出し、豊かな社会を創造するために価値のあるものにしていきたいと考えております。

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